米Yankee Groupが米国時間1月14日に,米国のIT支出に関する調査結果を発表した。それによると,2001年のIT支出は1.1%減少したが,技術への要求は依然として高く,2002年にはわずかながら回復し,3.3%増加するとみる。続く2003年は11.5%増加する見通しだ。

 企業が技術に投資する基本的な目的は2つある。一つは既存のシステムを維持すること。もう一つは,競争力を獲得することである。システムの現状を維持するための費用は一貫して増加しており,IT予算の大半を占めている。一方,競争力を得るための費用はIT支出合計のわずかにしかおよばない。

 「技術への依存と業界の急速な発展が,システムの現状維持を高価で避けられないものにしている」とYankee社は説明する。またユーザーは,競争力を高めるという効果を期待してテストを行っていない新しい技術を導入し,高額を費やしている。

 「現状維持のための費用は2002年も引き続きIT支出全体の過半数を占めるとみる。不況による影響は2002年後期~2003年全体を通じて消えるだろう。それとともに,2001年のIT支出で最も不振だった新たな革新技術への投資が加速しはじめる」(Yankee Group社BtoB Commerce & Applicationsプランニング・サービス部門上級アナリストのJon Derome氏)

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