米Gartnerと米SoundView Technology Groupは米国時間1月15日,2002年における各産業のIT予算に関する調査結果を発表した。調査対象となった企業のうち,IT支出を増額する予定の企業は60%。減額予定の企業は40%である。この調査は,20種以上の産業分野にわたる1048の企業・団体を対象に実施したもの。

 Gartner社上級副社長のAl Case氏は「2002年に,ITベンダーにとって最も魅力的なセクターとなるのは石油産業と鉱業である。IT予算が前年比で最も減少するのは非耐久財製造業だ」と説明した。

 2002年にIT支出が最も拡大すると予想されているのは,16%増の石油産業/鉱業/エネルギー産業と,10%増のアグリ・ビジネス/漁業/林業である。また,IT支出の増額を最小限に抑える産業は,ビジネス・サービス,金融サービス,メディア/エンターテイメント,小売り,ヘルス・ケアである。

 IT支出を減額する40%の企業のうち,最も大きな落ち込みを見せるのは非耐久財製造業と公益事業。それぞれ約15%減と約4%減の見通しである。

■産業別IT予算の変化
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産業                                  前年比(%)
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石油産業/鉱業/エネルギー産業         15.9
アグリ・ビジネス/漁業/林業           10.0
ビジネス・サービス                      7.8
メディア/エンターテイメント            7.6
流通および輸送サービス                  7.1
金融サービス                            5.0
小売                                    4.4
ヘルスケア                              3.6
教育                                    3.4
非営利                                  1.9
研究開発                                1.7
耐久財製造業                           -0.2
卸売                                   -0.4
交通                                   -1.6
政府機関                               -3.6
公益事業                               -3.7
製造業全般                             -6.2
非耐久財製造業                        -15.1
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出典:Gartner社,SoundView社(2001年11月)

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