米Gartnerと米Goldman Sachs Groupが米国時間5月22日に,米国のIT支出に関して共同で調査した結果を発表した。2002年に米国企業のIT部門が確保し,利用する予算はこのまま横ばいだという。

 Gartner社が5月初旬に開催したシンポジウム「Gartner Symposium/ITxpo」の参加者1800人のうち369人を対象にアンケートを実施ししたところ,回答者の89%が「2002年末には世界経済がわずかながら回復する」と予測している。しかし78%の回答者は,「それによって企業のIT予算を増加することはない」と答えた。

 Gartner社の予測によると,IT予算の利用が活発化するのは第4四半期で,2002年全体のIT支出は1.5%増となる。

 価格低下の速度が弱まったものの,ベンダーは価格のプレッシャを感じている。ベンダーと「以前より有利な価格交渉を進めている」という回答者は50%。「以前ほど有利に進めてはいない」という回答者は41%。9%は「以前と同様」だった。

 「企業はあらかじめ決められた予算を変えることはない。すでに予算案の骨組みから外されている分野は,今年中に経済が回復しても需要が高まる望みはほとんどない」(Gartner社上級副社長のAl Case氏)

 企業が予算をつぎ込むIT分野はセキュリティ,ストレージ,インターネット関連の取り組み,WebサービスなどのWWW対応アプリケーション,PDAなど。逆に優先度の低い分野はメインフレーム,人材派遣サービス,データ・センター・アウトソーシングである。

 なお,今後2年以内にWebサービスの導入を予定している回答者は63%だった。

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