米マイクロソフトがビジネス・インテリジェンス構築支援ソフト「Microsoft SQL Server Accelerator for BI」を提供開始

早坂利之

2002.05.09

　米Microsoftが米国時間5月8日に，「Microsoft SQL Server Accelerator for Business Intelligence（Accelerator for BI）」の提供を始めた。Microsoft社が同日明らかにしたもの。Accelerator for BIは分析アプリケーション用のインフラ構築を自動化するアプリケーション開発ツール。顧客の用途に合ったビジネス・インテリジェンス（Business Intelligence：BI）ソリューションを簡単かつ迅速に構築できるという。「Accelerator for BIは分析アプリケーション開発を開始する際の障壁を低くし，顧客のBI利用を容易にする」（Microsoft社）

　Accelerator for BIはBIソリューション用バックエンドの作成処理を自動化し，設計／開発期間を大幅に削減するという。これにより，「ソリューションのコーディングや設計にかかる時間を短縮でき，浮いた時間をエンドユーザーからの要求に対する作業に充てられる」（Microsoft社）

　Microsoft社SQL Server担当ジェネラル・マネージャのBill Baker氏は，「これまでデータ・ウエアハウス・プロジェクトは開発が難しく，完成までに数カ月要することがある。主な原因は，分析アプリケーションのバックエンド部分の設定作業に手間がかかるからだ」と説明する。「Accelerator for BIは開発作業を構造化するので，分析アプリケーションを数カ月でなく数日で開発できる」（同氏）という

　Accelerator for BIの主なメリットは以下の通り。

・カスタム化したソリューション：顧客の要求に基づいたソリューションを提供可能。カスタム化した分析アプリケーションにより，顧客が重要なデータに対する理解を深められる。

・開発から販売までの期間短縮：バックエンド処理の自動化により，従来の数分の1の期間でカスタム化した分析アプリケーションの作成／展開が可能になる。

・投資収益率（ROI）の向上：開発サイクルの短縮，成功したほかのモデル／実装の再利用，迅速なプロトタイプ作成と開発，優れた手法の利用励行により，ROIを増加させる。

・柔軟なソリューション：既存の情報システムとの統合が容易。インタラクティブな開発に適し，将来の開発でも一貫して再利用可能な「Analytics Builder Worksheet」という開発環境を備えている。これにより，状況が変化しても長期間対応が可能になる。

・拡張可能なシステム：より優れたBIソリューション構築する際に，その一部としてAccelerator for BIを利用できる。顧客独自のソリューションなどの追加が可能。

・「SQL Server 2000 Analysis Services」に対するアクセス強化：SQL Server 2000 Analysis Servicesベースの分析ソリューションを作成できる。企業規模の拡張性や，SQL ServerプラットフォームのData Transformation Services，OLAP，データ・マイニング機能を活用したソリューションの構築が可能になる。

　SQL Server Accelerator for Business Intelligenceは，即日利用可能となる。「SQL Server 2000 Enterprise Edition」のライセンスを持つユーザーは，追加費用なしでダウンロードできる。詳細については，Microsoft社のWWWサイトに掲載している。