米QUALCOMMは同社のCDMA 2000 1xチップセットに不具合を発見したことを米国時間4月4日,明らかにした。

 不具合を発見したのは,「Mobile Station Modem MSM5100」と「同MSM5105」,およびそのシステム・ソフトウエアである。これらを使った無線機器では“ある性能上の問題”があるという。

 QUALCOMM社によれば,この不具合は直ちに発見され,すでに修正済み。また,機器メーカーにこのことを伝えており,両製品とも「世界の顧客に向けて量産出荷中」(QUALCOMM社)という。

 MSM5105は,CDMA 2000 1xで最大153kビット/秒のデータ通信速度を可能にするチップセット。MSM5100はCDMA 2000 1xで最大307kビット/秒のデータ通信速度を可能にする。後者はBluetooth version 1.1に対応したチップセットである。位置情報やマルチメディア機能を備え,「BREW(Binary Runtime Environment for Wireless)」プラットフォームにも対応する。

 QUALCOMM社はMSM5100の量産出荷を2001年10月に始めている。このとき同社は,その時点ですでにベンダー各社がMSM5100を搭載した製品の開発に着手していたこと,50以上の製品に対しMSM5100を提供していたことを公表していた。

 なお今回は,製品を供給した具体的なメーカー名を明らかにしていない。しかし当時の発表資料によれば,同社がこうしたチップセットを供給しいるCDMA携帯電話機メーカー/インフラ機器メーカーには以下がある。

 台湾Acer Peripherals,ALPS ELECTRIC,カシオ計算機,富士通,日立製作所,韓国Hyundai Electronics Industries(現代電子産業),京セラ,韓国LG Information and Communications,韓国Samsung Electronics(サムスン電子),三洋電機,東芝。

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