米QUALCOMMとカナダのNortel Networksが米国時間8月22日に,CDMAネットワークでMobile IPプロトコルのデータ通信に成功したことを明らかにした。電話音声もIPパケットで中継するオールIPの携帯電話網に向けた実験である。

 「第3世代向けのMobile IPソリューションはこれが初めて」(両社)。QUALCOMM社のパケット・データ通信技術「CDMA2000 1X Mobile Internet Protocol(IP)」をベースとし,QUALCOMM社のMobile Station Modem(MSM)チップセット「MSM5105」と,Nortel社の「Shasta 5000 Broadband Service Node」などの無線インターネット向けインフラ機器を組み合わせた。

 試験は,Nortel社がテキサス州Richardsonに擁するラボで実施した。

 第3世代(3G)ネットワークでのパケット・データ通信サービスに向ける。Mobile IPは,ノード(端末)が移動してもホーム・アドレスへの到達を保持できるため,従来のパケット・データ通信におけるリンクが変わる際に通信を継続できず切断されてしまうという問題を解決できる。

 QUALCOMM社は,今後MSM5105のほか,MSM5100やCDMA 2000 1XをすべてMobile IP対応とする。MSM5105は製品版がすでに出荷されており,MSM5100はサンプルを出荷中である。QUALCOMM社は2001年第3四半期中にMobile IPに対応させるためのソフトウエアを提供する。

◎関連記事
QUALCOMM,1xEV-DO用チップセットをサンプル出荷,2001年9月までに量産へ
モバイル・ワイヤレス・インターネット・フォーラム(MWIF)が無線ネットワークでのIPの可能性についてリポート
IP携帯電話に不可欠なMobile IPv6
米QUALCOMM,次世代携帯電話機用チップセットMSM6xxxファミリとシステム・ソフトウエアの開発計画を発表
米QUALCOMM,次世代CDMAチップセットでSSLをサポート。CDMA端末からインターネットへの安全な無線アクセスが可能に

[QUALCOMM社の発表資料]
[Nortel社の発表資料]