米国電気電子学会(IEEE)の一組織であるIEEE-SAは米国時間3月21日に,同組織の役員会Standard BoardがPAN(Personal Area Network)規格「IEEE Standard 802.15.1("Wireless MAC and PHY Specifications for Wireless Personal Area Networks")」を承認したことを明らかにした。 同規格は,無線通信技術のBluetoothをベースにしている。

 IEEEはBluetoothの標準化団体Bluetooth Special Interest Group(SIG)から,IEEE Standard 802.15.1-2002の基本部分としてBluetooth仕様の一部を改造/複製するライセンス供与を受けた。「IEEEの承認したIEEE 802.15.1は,Bluetooth v1.1と完全な互換性を持つ」(IEEE)

 IEEE 802.15ワーキング・グループ副議長のIan Gifford氏は,「Bluetooth SIGとの合意により,世界中にいる多くの専門家の力を活用してBluetooth仕様を綿密に調査し,強化できる」と説明している。「すでに数千件の(仕様に対する)コメントを受け取っており,Bluetooth SIGはその内の300件以上をオリジナルのBluetooth仕様に反映させた」(同氏)という。

 IEEE 802.15.1では,Service Access Pointsに関する条項を追加している。これには,ISO/IEC 8802-2 LLC用のLLC/MACインタフェースと,組み込みBluetooth MAC Sublayer用のITU-T Z.100仕様/記述言語(SDL)モデルが含まれる。

 IEEE-SAは,IEEE 802.15.1標準に対応するよう802.15.1 SDLモデル・ソースの開発をさらに進めるとしている。このSDLコードはCD-ROMで提供する予定。これには,「SDL-88,SDL-92,ITU-T Recommendation Z.100にアップデートしたSDL-2000などをサポートするSDLツールを利用するためのコンピュータ・モデルが含まれる」(IEEE)。

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