米Cahners In-Statは米国時間4月25日,「短距離無線通信技術Bluetoothの機器市場は,出荷台数ベースで年平均360%成長し,2005年には9億5500万台の規模へと著しく拡大する」とする調査結果を発表した。

 「Bluetooth機器市場は,製品開発の遅れ,経済の減速に加え,製品の第一弾登場に対する評価がいまひとつであるなど出だしは厳しい。しかし,今後は著しい成長が期待できる。将来的には非常に明るい」(In-Stat社)。

 Bluetooth用LSI市場も大きく成長し,Bluetooth向けベースバンド処理LSIやRFトランシーバLSIの市場が2005年に44億ドル規模に達するとIn-Stat社は予測する。

 「Bluetoothにとって2000年は“試験期間”そのものだったが,ここへきて,市場拡大を示す動きが活発になってきている。Bluetooth用LSIが増産されているのをはじめ,多くの対応製品の生産もスケジュール通り進んでおり,まもなく続々と登場する予定だ」(In-Stat社ディレクターのJoyce Putscher氏)。

 このほかにも,ホテルやショッピング・モール,ゴルフ場,空港などでのBluetooth対応が進んでおり,2001年中に利用環境が整う。また,これまではハードウエアの開発に遅れがでているところが多かったが,アプリケーション開発の方ではクライアント・ソフト,サーバー・ソフトともに,すでにかなりの製品が開発されている,といった点を市場拡大を支える要因として挙げている。

 In-Stat社によるその他の調査結果は以下の通り。

・Bluetooth対応機器市場をカテゴリ別にみると,短期的にはアダプターおよびカード製品が大きなシェアを獲得する。

・RF/ベースバンドLSI製品のカテゴリが2002年以降急速に拡大,2003年には大きなシェアを占める。

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