米Allied Business Intelligence(ABI)が米国時間6月19日に,無線市場の展望に関する調査結果を発表した。無線は多くの業界で大きな位置を占めており,狭帯域と広帯域無線ともに売上高が伸びる。ただし2000年に予測したほどの急上昇はみせないという。

 狭帯域無線市場は,通信事業者が第2.5世代(2.5G)や第3世代(3G)ネットワークに移行するとともに発展し,2006年までインフラのアップグレードが進む。2006年末には無線加入者が17億人以上に達し,5億人以上が無線インターネット接続を利用するようになる。

 次世代携帯電話システムへの移行によりBluetooth分野も成長し,携帯電話機,パソコン,ノート・パソコン間のやりとりが盛んになる。Bluetooth対応モジュールの出荷台数は,2001年の100万台以下から2006年には16億台に増加する。

 このほか新たなGPSアプリケーションの登場が市場の成長を促し,市場規模は2007年に600億ドル近くに達するとみる。

 広帯域無線市場では,LMDS(local multipoint distribution services),MMDS(multi-channel multipoint distribution services),ライセンス不要方式の固定無線が地域向けソリューションとして引き続き利用される。ほとんどの都市部でファイバ・リングが設置されているが,「最後の1マイル」と言われるISP-顧客間がつながらないためである。

 2007年におけるLMDS方式の無線加入者は360万人で,MMDS方式の無線加入者は約1400万人に達する。

 モバイル・インターネットに関する情報は総合IT情報サイト『IT Pro』の「モバイル」で詳しくお読みいただけます。

◎関連記事
「2006年にはモバイル端末の48%が無線対応に」,米ARC Groupの調査
マルチメディア・データのモバイル機への無線配信は時期尚早,焦るべきでない
「2005年の世界ネット・ユーザー数は11億人超,62%が無線に」と米社の調査
2007年に米国人の約60%がモバイル・データを利用へ
「企業は2004年までに三つの無線ネットワークに対応すべき」と米ガートナー
世界の2.5G/3G携帯電話サービスの市場規模は2006年に3000億ドルに---。米ABIが分析
【SUPERCOMM 2001速報】無線ブロードバンド製品が続々登場,xDSLに対抗し高速ネット接続市場狙う
FWAサービスの市場は今後5年間に年平均60%の成長率で急拡大,2005年には年間売上63億ドル規模に達する---。Strategis Groupが予測

[発表資料へ]