米Computer Industry Almanac(CIA)は「世界のインターネット・ユーザー数は2005年末までに11億2000万人に達する。そのうち無線インターネット・ユーザーが48%を占める」などとする調査結果を米国時間3月21日,発表した。2001年末時点のユーザー数は5億3000万人だった。今後5年でその数は2倍に増加する。「増加の大部分は,アジア,中南米,欧州の一部地域によるもの」(CIA社)とみる。

 新規インターネット・ユーザーは,Web対応携帯電話機やネットワーク接続できるPDAなどの無線機器を使うという。「多くの先進国では,無線機器がパソコンによるインターネット接続を補足する役割を果たす。一方インターネットの普及が進んでいない国々では,多くの無線インターネット機器がインターネット接続機器の主流になる」(同社)

 「1999年と2000年における無線インターネットは期待はずれに終わった。西欧と米国で,見込んでいたサービスの実現がかなわなかったためである。しかし,日本と韓国では予測した通りの結果となっている。ほかの地域では普及しつつあるものの,予定よりは遅れている」(同社)

■インターネット・ユーザー数の予測推移(100万人単位)
年次 2001年末 2004年末 2007年末
米国
インターネット・ユーザー数 149 193 236
無線インターネット・ユーザー数の割合 4.5% 27.9% 46.3%
世界
インターネット・ユーザー数 533 945 1,460
無線インターネット・ユーザー数の割合 16.0% 41.5% 56.8%
アジア太平洋地域
インターネット・ユーザー数 115 357 612
無線インターネット・ユーザー数の割合 34.8% 50.9% 60.4%
西欧
インターネット・ユーザー数 126 208 290
無線インターネット・ユーザー数の割合 13.9% 49.6% 67.0%
出典:CIA社

 CIA社のEgil Juliussen氏は,「無線インターネットの“離陸”は,常時接続サービス向けコンテンツと無線機器の小型画面に適したコンテンツが利用可能になったときだろう」と予測する。「音声サービスにしか使っていない数100万台のWeb対応携帯電話機が“眠りから目覚めた”とき,ユーザー数の急速な増加が始まる」(同氏)


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