ドイツのSAP AG社が現地時間3月13日に,ハノーバで開催中の「CeBIT」のプレス・コンファレンスで中小企業(SMB)市場に向けた「Smart Business Solutions」プログラムを発表した。同プログラムでは,同市場で業界別に必要とされるIT技術に合わせ,業界と顧客特有のアプリケーションに対応したパッケージを提供する。

 もっとも高度なIT技術で個別化と業界特有の機能を必要とするSMBに向けには,既存の業界別SMBソリューションを全般的に拡張していく。eビジネス・プラットフォーム「mySAP.com」と世界のVAR(付加価値再販業者)ネットワークからの技術をベースとしてフィナンシャル,資材管理,CRMなどのソリューションを包括的に提供する。

 その次に高度なIT技術を必要とするSMB向けには,新しいアプリケーションを導入する。この新しいSMBソリューションは,イスラエルのTopManage Financial Solutions社が開発した「TopManage」をベースとする。

 SAP社は同社の資産を買収し,新しい事業部門「Business Unit for the SMB (BU SMB)」を設立している。同部門がこのソリューションの開発とサポートを担当し,「Smart Business Solutions」をさらに発展させる。

 SMB向けのソリューションは,会計,銀行業務,フィナンシャルと顧客関係の管理,購買,購入,資材管理,製品ツリー,報告と分析機能などSMBの中心となる業務のニーズに対応する。また業務の状態を把握するための分析ツール,協調的イベントのトラッキングと問題解決のためのオンライン・アラート,カスタマイズ可能なレポート機能も提供する。

 同社は,チャネル・パートナにトレーニングを提供するとともにカスタマイゼーションと開発に関する知識を共有することでサポートする。また,同プログラムの一環として,すでに特定の市場向けに複数言語のソリューションを提供しており,SAPのERP機能を組み込んで開発とメインテナンスの最適化を望むISV(独立系ソフト会社)との提携を予定している。同製品は,主に複数の間接チャネルを通して配布される予定。

◎関連記事
「中小企業にもモバイル・オフィス環境を」,米IBMが支援プログラムを発表
AOLがSMB向けASPサービス
「Linuxで動くSAPソリューション」,米Network ApplianceがSAP Linux Labsと共同で開発
富士通が独SAPのグローバル・パートナに
SAP Markets,“包括的サプライヤ関係管理”ソリューションを発表
独SAPが最新版mySAP CRMを出荷,専門の販売スタッフも投入

発表資料へ