米Intelが米国時間3月4日に,マイクロ・プロセサ「Pentium 4」のモバイル版である「mobile Pentium 4 processor-M」とモバイル向けチップセット・ファミリ「845」を発表した。

 mobile Pentium 4 processor-Mは,オーディオおよびビデオ・エンコーディング,デジタル画像処理,音声認識,3次元(3D)コンテンツ作成,ゲーム,マルチメディア,マルチタスキング環境といったアプリケーションの利用に向く。複数のオフィス向けアプリケーションを同時に走らせつつ,バックグラウンドで暗号化,圧縮,ウイルス・スキャン,クライアント管理,VPNなどの処理を行うことができる。また,mobile Pentium 4 processor-Mを採用した特定のパソコンには,802.11bやBluetoothといった無線機能が組み込まれる予定である。

 mobile Pentium 4 processor-Mの動作周波数は最大1.7GHz。「NetBurst」と呼ぶマイクロ・アーキテクチャを採用している。NetBurstは400MHzのフロントサイド・バス(FSB),20ステージのパイプライン「Hyper Pipelined Technology」,デコード済みの命令をキャッシングする仕組み「Execution Trace Cache」,プロセサの算術論理演算回路(ALU)をCPUコアの動作周波数の2倍で動作させる「Rapid Execution Engine」,144個の命令を追加した「Streaming SIMD Extensions 2(SSE2)」が特徴。また,512Kバイトのオンチップ2次キャッシュを備える。

 低消費電力化のための「Enhanced SpeedStep」技術を組み込んでおり,AC電源時の「Maximum Performance Mode」と電池動作時の「Battery Optimized Mode」を自動的に切り替える。「Deeper Sleep Alert State」では,電源電圧を1V,消費電力を0.5Wに抑えるという。

 mobile Pentium 4 processor-Mは0.13μmルールの半導体技術で製造する。動作周波数は1.7GHzと1.6GHzを用意する。すでに利用可能。1.7GHz版のMaximum Performance Mode時の電源電圧は1.3Vである。1.7GHz版と1.6GHz版ともにBattery Optimized Mode時は1.2GHzで動作し,電源電圧は1.2V,消費電力は2W未満。

 845チップセット・ファミリは「845MP」と「845MZ」の2種類。DDRメモリーに対応し,mobile Pentium 4 processor-M向けに設計,検証,最適化している。845MPはすでに出荷を開始している。845MZは今年中に利用可能になる。

 1000個ロット時の価格は1.7GHz版が508ドル,1.6GHz版が401ドル。845MPは43ドル。

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