米Intelが米国時間7月30日に,0.13μmルールの製造プロセス技術を使った「mobile Pentium III Processor-M」の出荷を始めたことを明らかにした。
動作周波数が1.13GHz,1.06GHz,1.0GHz,933MHz,866MHzの5品種で,いずれもAC電源時と電池動作時に,電源電圧と動作周波数を自動的に切り替える機能「Enhanced Intel SpeedStep」を組み込む。Enhanced版ではこれまでと異なり,電池動作時に負荷の重さによっては最高動作周波数に自動的に切り替えることが可能になった。Windows XPは,この機能にネイティブで対応するという。
1.13GHz版のMaximum Performance Mode時の電源電圧は1.4Vである。また5製品ともBattery Optimized Mode時は733MHzで動作する。このときの電源電圧は1.15V,平均消費電力は2W以下となる。
このほか「Deeper Sleep Mode」と呼ぶ動作モードも組み込んだ。アイドル時の電源電圧を,これまでの「Deep Sleep」モードによる最低動作電圧よりもさらに下げることで,消費電力を60%削減する。
mobile Pentium III Processor-MのFSB(front-side bus)は133MHz。512Kバイトと,これまでの2倍の2次キャッシュをオンチップに集積する。4400万トランジスタを1チップに集積する(これまでのMobile Pentium IIIは2800万トランジスタ)。また2次キャッシュに対するデータ・プリフェッチ機能を強化して,性能向上を図った。
米Acer America,米Compaq Computer米Dell Computer,富士通,米Gateway,米HP(Hewlett-Packard),米IBM,NEC,ソニー,米Toshiba America Information Systemsが搭載機の出荷を予定している。
パッケージはいずれもFlip-Chip Ball Grid Array(FC-BGA)とFlip-Chip Pin Grid Array(FC-PGA)を用意する。価格は,1.13GHz版が625ドル,1.06GHz版が499ドル,1.0GHz版が394ドル,933MHz版が278ドル,866MHz版が247ドルである。
Intel社は同時に,モバイル向けチップセット群「830 Chipset」を発表した。830チップセットは3種を用意する。いずれもハブ・アーキテクチャを採用する。
3種類のチップセットは,外部のグラフィックス機能を利用する「830MP」,高性能グラフィックス機能を内蔵するとともに外付けのグラフィックスにも対応する「830M」,内蔵グラフィックス機能だけに対応する低価格システム向けの「830MG」である。いずれもPC-133のSDRAMに対応する(従来はPC-100)。主記憶容量は最大1Gバイト。
Intel社は830MPの出荷をすでに始めている。830MPの1000個ロット時の価格は37.50ドル。830Mと830MGは年内の出荷を予定する。
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