米マイクロソフトがWebサービス開発環境「Visual Studio .NET」「.NET Framework」を発表

早坂利之

2002.02.14

　米Microsoftのチーフ・ソフトウエア・アーキテクトであるBill Gates氏が米国時間2月13日に，サンフランシスコで開催されているVSLive! 2002 Conferenceで，.NETアプリケーション向けのアプリケーション開発ツールとプラットフォームを発表した。「Visual Studio .NET」と「.NET Framework」である。

　「Webサービスと次世代インターネット・アプリケーションを構築するための，当社初の完全なIDE（統合開発環境）」（Gates氏）。20種以上のプログラミング言語に対応しているという。

　Visual Studio .NETは，Webアプリケーションを作成／展開するための開発ツールである。詳細については，Microsoft社のWWWサイトに掲載している。.NET Frameworkは.NET Platformのプログラミング・モデルを提供し，Webサービスや，クライアント／サーバー／サービス・ベースなどさまざまな種類のアプリケーションの展開と実行を可能にする。詳細については，同社のWWWサイトに掲載している。

　Visual Studio .NETは以下の3種類を用意する。

（1）Visual Studio .NET Enterprise Architect：ソフトウエア・アーキテクトや上級開発者向け。インフラ開発向け大規模アプリケーションの構築用。推定小売価格は2499ドル。

（2）Visual Studio .NET Enterprise Developer：開発チーム向け。さまざまなデバイス向けXML Webサービスおよびエンタープライズ・アプリケーションの構築用。推定小売価格は1799ドル。

（3）Visual Studio .NET Professional：開発者向け。さまざまなインターネット機器向けXML Webサービスおよび次世代アプリケーションの構築用。推定小売価格は1079ドル。

　なお，「Visual Basic .NET」「Visual C++ .NET」「Visual C# .NET」のStandard版の希望小売価格はいずれも109ドル。

　Visual Studio .NETのローカライズ版と「.NET Framework Software Development Kit（SDK）」は，近日中の発売を予定する。Visual Studio .NETおよび.NET Framework SDKは英語版のほかに，フランス語／イタリア語／ドイツ語／スペイン語／日本語／繁体字中国語／簡体字中国語／韓国語版を用意する。

　またMicrosoft社は同日，「SQL Server」および「BizTalk Server」をWebサービスに対応させるためのツールキット，「SQL Server 2000 Web Services Toolkit for Microsoft .NET」と「BizTalk Server 2002 Web Services Toolkit for Microsoft .NET」を発表した。両ツールキットは，同社のWWWサイト（SQL Server用，BizTalk Server用）から無料でダウンロードできる。

　さらに同社は，コンポーネント・ベンダー向けプログラム「Microsoft .NET Component Builder Program」についても明らかにした。.NET技術を使ったコンポーネントの構築／マーケティングを効率よく行うための支援をするという。同プログラムは，Microsoft社と，サードパーティ独立系ソフトウエア・ベンダー（ISV）による非営利組織Component Vendor Consortium（CVC）が共同で運営する。