英Cable & Wireless(C & W)と同社の100%子会社米Digital Islandが,米Exodus Communications資産の米国における買収作業を完了した。C & W社が英国時間2月1日に明らかにしたもの。買収はすべて現金で行われ,米国内のExodus社資産の一部と事業のほとんどが対象になった。

 なおこの買収は,米国デラウエア州地区破産裁判所が2002年1月17日に出した買収承認を受けたものである。

 買収後Exodus社は,C & W社のExodus事業として業務を継続する。「C & W社およびDigital Island社の既存ホスティング事業と合わせると,年間8億ドルの売上高になる」(C & W社)

 買収の対象には,英国,ドイツ,日本にある資産も含まれており,これら米国外の資産の買収作業は現在進行中である。これらも含めた取引総額は約7億5000万ドルになるという。これは,「当初発表した2001年11月30日時点の見積もり額8億5000万ドルより1億ドル少ない」(C & W社)という。

 C & W社は実質的に,Exodus社のすべての米国顧客契約を取得するほか,Exodus社の社屋,米国内に44カ所あるデータ・センターのうち26カ所を取得する。Exodusブランドなどの知的財産,従業員,顧客サポートと事業展開に必要なリソースも買収対象に含まれる。

 同事業担当のCEOにはExodus社CFOのBill Austin氏が就任し,Exodus事業とC & W社の既存ホスティング事業の統合を担当する。「統合は2002年4月にも完了する予定」(C & W社)

 買収後のサービス・ブランド名については,C & W社,Digital Island社,Exodus社が現在米国で提供しているすべてのホスティング・サービスを『Exodus, a Cable & Wireless Service』とする。これ以外の米国業務については,C & W社のブランドを継続して使用する。このほかの国のサービスは,C & W社のブランドで展開する。これら一連のブランド再構築作業は,2002年5月にも完了させる予定だという。

 なおC & W社は,Exodus事業に対する最大2億5000万ドルの追加投資を計画している。「2003年にEBITDA(利子,税金,減価償却費控除前利益/損失)が黒字に転換する」(C & W社)と見込んでいる。

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