英Cable & Wirelessが米Digital Islandを買収することで両社が合意に達した。5月14日に両社が明らかにしたもの。この合意のもと,Cable & Wireless社はDigital Island社普通株1株当たり3.40ドルの現金を支払い,Digital Island社の全発行済株式を取得する。Digital Island社の純負債4900万ドルを含んだ取引総額は3億4000万ドルとなる。すでに両社の取締役会は承認している。

 Digital Island社は,企業向けインターネット・サービスを手がける会社。管理ホスティングや,コンテンツ配信,ネットワーク・サービスなどを提供しており,米Microsoft,米Cisco Systems,米E*TRADE,ソニーなどを顧客に抱える。従業員数は850人,年商1億4000万~1億4500万ドル(2000年10月~2001年9月の見込み)

 買収完了後はCable & Wireless社の100%子会社として,現在のDigital Island社の経営陣のもとサンフランシスコの本社で営業を続ける。

 なおCable & Wireless社では,Digital Island社の事業を取得することにより,IPベースのエンド・ツー・エンドのソリューション・プロバイダとして世界の主力企業になると説明している。この買収によりCable & Wireless社と同社の顧客に次のようなメリットがあるという。

・広告ベースや有償によるダウンロード/視聴,会員制の各種のサービスなど,顧客に広範なeBusiness環境を提供できる。

・Cable & Wireless社の付加価値サービス(管理ホスティング,IP-VPNなど)を拡充できる。

・Digital Island社の管理ホスティング・インフラのソリューションや,コンテンツ配信サービスとCable & Wireless社の既存の管理ホスティング資産やIPインフラ,マーケティングを組み合わせることができる。

・Cable & Wireless社のデータセンター事業の地位向上(とりわけ米国における)が図れる。ハイエンド向け管理ホスティング・サービスの拡充が可能。

・通信業界におけるCable & Wireless社の地位向上が図れる。

 このほか両社を合わせることで,顧客(Global 500企業)の1日当たりのeBusinessトランザクション総額が10億ドルとなり,また北米,欧州,アジアのWWWホスティング・センターの総面積が100万平方フィートになるなど,「コンテンツ配信やホスティング・サービスの分野で世界のリーディング・プロバイダになる」(両社)という。

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