米Broadcomと米Palmが,Bluetoothアーキテクチャを共同開発することで提携を結んだ。両社が米国時間1月9日に明らかにしたもので,次世代「Palm」ハンドヘルドに向ける。「Broadcom社の“Blutonium”トランシーバ製品系列をベースとするアーキテクチャを,PAN(Personal Area Network)を実現するためのビルディング・ブロックとして使用する」(Palm社)という。

 Broadcom社のBluetooth用LSIを組み込んだPalmハンドヘルドを使うことで,ほかのハンドヘルドとの同期やBluetooth対応プリンタによる印刷を,有線接続せずに行えるようにする。Bluetooth対応電話と組み合わせれば,電子メールやインターネットの利用,外出先からの社内ネットワークへのアクセスも,無線で可能になる。

 Bluetoothのデータ転送速度は1Mbps程度。直接見通せない位置にある機器同士の通信が可能なので,通信機器をかばんに入れたままでも使用できる。Bluetoothはハンドヘルドの電池の“持ち”に及ぼす影響が少ないため,ユーザーの使用感を損なわずに無線接続機能を追加できるという。

 Blutonium製品系列は単一チップのソリューションで,「Bluetooth Qualification Board(BQB)Version 1.1」の認定を受けている。Palm社は,ハンドヘルド機に最適化されている「Broadcom BCM2033」を使用して次世代のPalm機向け無線ソリューションを設計するという。

 Palm社グローバル・オペレーションズ担当上級副社長のAngel Mendez氏は,「Palm機はそのサイズと電池寿命を最適化するため,チップの大きさや消費電力に制約が多い」と説明する。「Broadcom社のBluetooth製品は,コスト,サイズ,性能,消費電力における我々の要求条件を満たしており,ベスト・バリューのソリューションとなる」(同氏)

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