米調査会社のIDC社,Jupiter Research社,Yankee Group社の3社がそれぞれ行った調査により,企業ユーザーの間でPalmハンドヘルド・コンピュータとPalm OSプラットフォームが主流となっているという結果が明らかになった。この調査は,米国のITプロフェッショナルに対して実施された。調査により,Palmハンドヘルド・コンピュータとPalm OSプラットフォームは,企業で幅広く採用されており,また購入計画のリストにあがっていることが分かった。

 3社それぞれの調査結果は次の通り。

・IDC社のハンドヘルドに関する調査結果

 同社が2001年10月に発表した調査結果によれば,PDAの企業ユーザーの中でPalmの採用は現在断然トップで60%となっており,同率2位についた2社のブランドのシェアは30%未満で,そのブランドの1つは,Palm Poweredデバイスだった。

 まだPDAを購入していない企業の購入計画リストには,Palm Poweredデバイスも上がっている。Palm OSプラットフォームは,現在60%を越える企業にサポートされており,これは他のオペレーティング・システムのほぼ2倍に該当する。

 多くの企業が,Palm OSプラットフォームをすでに標準としており,この傾向は続くものと見られる。IDCの調査によれば,調査対象となった企業の20%がすでにPalm OSを標準としており,別の10%はこの先12カ月のうちにこれを標準にする予定だという。来年には,Palm OSがPocket PCのシェアを少なくとも2.5%上回ると予測される。

 同社によれば,PDAに求められる25の特徴すべてを満たすプラットフォームは存在しないが,Palm OSは,もっとも重要とされる4つの特徴である電池寿命の長さ,使いやすさ,拡張性,コンパクトなサイズのすべての要件を満たしている。

・Jupiter Media Metrixによる2001年9月の調査結果

 調査は,大小さまざまな規模の企業の幹部約400名に対して行われた。調査結果により,参加企業の83%がモバイル・アプリケーションとしてPalm Poweredデバイスのサポートを予定していることが分かった。これは,Pocket PCの約2倍に該当する。

 さらに,2003年のモバイル・アプリケーションの投資計画については,35%が50万ドル以上または200万ドル以上の出資を予定している。このデータは,低迷する経済状況にもかかわらず,企業がモバイル・アプリケーションに対して多大な期待を寄せていることを示している。

 この調査により,米国企業は,モバイル・デバイスでインタラクティブなアプリケーションを採用することを予定しており,Palmはポータブル・デバイスとして選択されているだけでなく,企業のモバイル戦略の重要な部分を占めていることが明らかになった。

・Yankee Group社の2001年の企業の無線接続に関する調査結果

 100社を越える米国企業の500名を超える従業員に対して調査した結果,回答者の30%以上がPalmを使う予定だと答えている。それ以上に広く採用を予定されているのは,ノートブック・コンピュータだった。

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