米Gartnerが米国時間10月9日に,無線およびモバイル業界に関する予測を発表した。企業内で利用するモバイル機器の多様化にともない,2004年にはFortune 2000企業のうち50%以上が三つの異なる無線ソリューションに対応せざるをえなくなるという。三つのソリューションとは,1)低速無線データ通信,2)音声とWWW接続,3)高速無線LANである。

 「企業は,これら三つの無線技術の早期導入に積極的に取り組むべきだ」(Gartner社)。

 さまざまなモバイル機器の導入により,PAN(personal area network)の時代が来るとGartner社は指摘する。2002年には,企業内のモバイル機器の80%が,個人的に管理しているプログラムやデータの20%以上を格納する。2003年にモバイル・ワーカーは,1日当たり20分以上を個人データの同期化作業に費やすことになる。

 「企業は,モバイル機器を標準化するか,そうでなければ,従業員が利用するすべてのPDAや携帯電話機は企業プログラムを介して購入するべきだ。モバイル装置が蔓延した状況でのデータ複製に関しては,標準規格に対応した同期化ツールとOSに依存しないアプリケーション・プラットフォームを導入することが重要である」(Gartner社副社長兼調査ディレクタのKen Dulaney氏)。

 また2004年にはモバイル・ワーカーの60%が,音声通信に即答し,電子メールには1時間ごとに返信するための技術を携帯するよう義務づけられると予測する。

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