米Hewlett-Packard(HP)が米国時間12月12日に,同社製品向けの無線インターネット技術およびサービスの拡充内容について明らかにした。ノート・パソコン「Pavilion」と「Omnibook」,PDA「Jornada Pocket PC」を対象に,サード・パーティの無線インターネット技術を取り入れる。

 主な内容は以下の通り。

・米Bitstreamのインターネット・ブラウザ技術「ThunderHawk」:
「Jornada 540」「同560」に組み込む。ユーザーはインターネットに無線接続し,フルサイズでWWWページを閲覧できる。テキストも画像も判読可能。ThunderHawkはPDAの320×240 LCDスクリーンで,一般的なWWWページの640x480 VGAスクリーン表示を閲覧可能にする技術である。

・米BlueKiteの無線対応高速WWWブラウジング技術:
PavilionやOmnibook,Jornada 540,同560,「同720」に取り入れ,56kbpsのダイヤルアップ接続と同等のブラウズ速度を提供する。

・米WebEx Communicationsの接続サービス「Access Anywhere」:
モバイル機器を使って,電子メールのほかデスクトップ・パソコンに格納している重要なファイルやアプリケーションにアクセスできるようにする。ベータ・プログラムの開始はOmnibookとPavilion向けが2002年1月,Jornada 560向けが2002年2月。本格的なサービスの開始は2002年春を予定している。

・米GoAmericaのモバイル・ソリューション「Mobile Office」:
企業電子メールの添付ファイルを開いて読んだり,CRMやERP,SFA,企業イントラネットからの重要な書類にアクセスできる。すでにHP社製PDAおよびノート・パソコンの顧客企業向けに提供を開始している。

 ちなみに米Yankee Groupの調査によると,約50%の企業が無線接続を行っているか,2年以内に行う予定だという。3年以降になるが,いずれ無線接続を導入するという企業は26%だった。また,無線データ・サービスに費用をかけてもよいとする企業が従来より増加している。

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