米EarthLinkが米国時間12月7日に,破産裁判所の承認を条件として米OmniSkyの加入者と無線設備などを買収する計画を発表した。OmniSky社は,サンフランシスコを拠点とするモバイル無線機器向け無線データ・アプリケーション/サービスの開発と提供を行う企業。EarthLink社はこの買収により,Palm/PocketPC無線ハンドヘルド機器向けのモバイル無線サービスを展開する狙いだ。
OmniSky社は,カリフォルニア州北地区の破産裁判所に破産保護申請を提出する予定。買収対象には約3万2000人いる同社の加入者に加え,クライアント・ソフトウエア,モバイル無線アプリケーション・プラットフォーム,ブラウザ用プロキシ,メール用プロキシ,同社の既存のサービスを中断することなく提供するために必要なすべての装置が含まれる。
破産裁判所がこの申し立てを承認すれば,EarthLink社はOmniSky社が現在提供しているサービスと同様のモバイル無線サービスを開始するにあたり,「時間と投資を節約できる」(EarthLink社)。
米連邦破産法11条(日本の会社更生法に相当)により,OmniSky社は申請の審議中も加入者に継続して無線サービスを提供できる。「EarthLink社とOmniSky社は今後数カ月間協力体制を敷き,買収後もOmniSky社の現加入者が,現在OmniSky社を介して利用しているネットワーク事業者を変更せずに同じサービスを利用できるようにする」(EarthLink社)としている。
なおEarthLink社は,買収金額など詳しい取引条件については明らかにしていない。
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