ワイヤレス・アプリケーションやサービスのプロバイダである米OmniSky社は7月17日,位置情報ベースのサービス提供方法とそのシステムに関する2つの暫定的特許が米国特許庁に認められたと発表した。

 1つは,モバイル・ユーザーの属性や要求に応じて携帯電話やPDAなどに地図,方向,イベント案内のような,地域や時間に密着した情報を表示する方法と配信システムに関する特許。もう1つは,モバイル・コンピューティング環境のための,仮想的でインタラクティブなキャラクタに関する特許である。このキャラクタを使って,モバイル・ユーザーが存在する場所,ライフスタイル,個人的プロフィール,買い物の傾向などの情報に基づいたオンライン・ショッピング,旅行,個人間の相互情報交換などのサービスを展開する。
 市場調査会社のIDC社によれば,位置情報ベースのサービスを利用可能なモバイル・ユーザーは年平均74%の高率で増加し,2005年には全米で1億4900万人に達すると見込まれる。OmniSky社は,これらのユーザーに向けてサービスのためのソフトウエア・プラットフォームを販売し,地域密着型の情報サービスを提供する計画である。

 OmniSkyのサービスにより,エンドユーザーは次のようなことが可能になる。

・地域のレストラン,劇場,スポーツ・イベントなどの情報へのアクセス。地域に密着したビジネス情報の取得。地図や方向などの地理情報の表示。これらの情報の保存。
・映画のチケット購入やレストランの予約のような地域に密着した取引のオンライン処理。
・イベントの場所や自分の位置の識別。アドレスや道案内情報の他の加入者への送信。これらの情報の保存。
・インスタント・メッセージングなどによる友人や同僚とのリアルタイム・コミュニケーションおよび共同作業。

 OmniSkyサービスが利用可能な携帯情報端末は次の通り。Palm V,Palm Vx,Handspring Visor Platinum,Visor Prism,Visor Edge,HP Jornada 520/540 Series Pocket PC,Compaq iPAQ Pocket PC, Casio E-125。HP Pavilion Notebook PCも,サポートされる予定である。OmniSkyのサービスは,オンラインや全米2000以上の小売店で利用を申し込める。サービスは,全米の168主要都市をカバーしている。米国以外では,今年中に英国とドイツでのベータテストを計画中であり,他の国にも拡大することを計画しているという。

BusinessWireに掲載の発表資料へ