米Cox Communicationsおよび米Comcastが米Excite@Homeに対し,インターネットのケーブル・モデム接続サービスのディストリビューション契約を2002年6月4日付けで打ち切ると通告した。Excite@Home社が米国時間8月31日に発表したもの。

 Cox社とComcast社は,それぞれ米国3位と5位のケーブルTV事業者。両社はExcite@Home社の資金繰りが著しく悪化していたことから,2001年6月の時点ですでに,「2001年12月をもってExcite@Home社との契約を終了する。米AOL Time WarnerのAmerica Online(AOL)や米EarthLinkなどのプロバイダに切り替える」との立場を明らかにしていた。

 「当社としては,引き続き両社に対しサービス提供が継続できるよう話し合いを求めていく。ただし,新たな合意が得られるかどうかについてはなんともいえない」(Excite@Home社)。

 Excite@Home社は,資金調達の問題に対応するために新たなアドバイザーの協力を得るとしている。

 インターネット版ウオールストリート・ジャーナル(WSJ)によれば,Excite@Home社は資産運用会社の米Promethean Asset Managementから1億ドルを借り入れており,このうち半額の5000万ドルの返済期限が同日31日までとなっていた。Excite@Home社が返済できるメドは立っていないという。

 Excite@Home社の業績は,2000年通年の収支が74億3980万ドルの赤字(1株当たり損失18.73ドル),2001年第1四半期が8億3260万ドルの赤字(1株当たり損失2.05ドル),同第2四半期が3億4630万ドルの赤字(同0.85ドル)と,巨額の赤字が累積している。

 Cox社,Comcast社ともExcite@Home社に出資も行っている。両社はこの件に関し,声明を発表していない。また,両社のほかに米AT&Tも同様のケーブル・モデム接続サービス契約と資本提携を結んでいる。

 Excite@Home社の株価は8月半ばから1ドルを割り込んでおり,31日時点で42セントまで落ち込んだ。Nasdaq市場で取引停止となる可能性も出ている。

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