米GartnerのDataquestが米国時間11月1日に,2001年第3四半期における欧州/中東/アフリカ(EMEA)のパソコン市場に関して調査した結果を発表した。それによると,西欧では2001年第3四半期にパソコンの需要が急激に低下し,出荷台数は前年同期と比べて11%減少した。2001年第3四半期におけるEMEA市場の合計出荷台数は866万台で,前年同期と比べて6%低下した。

 「西欧は第3四半期に世界的な経済低迷の影響を受け,企業と消費者分野の両方で減少率が2桁に達した。大口顧客の注文はキャンセルまたは延期され,小企業の需要も低下した。企業と消費者が投資優先順位を見直した結果,パソコンは‘今は必要ない’部類に追いやられた」(Dataquest社Computing Platformグループ部門アナリストのBrian Gammage氏)

 米Compaq Computer,米IBM,Fujitsu-Siemens社などは出荷台数の減少率が2桁を記録した。米Hewlett-Packardは前年同期と比べて横這い。大手メーカーで出荷台数が増加した企業は米Dell Computerのみだった。

■2001年第3四半期におけるEMEA市場のメーカー別パソコン出荷台数(速報値)
(単位:1000台)

                 01年3Q     01年3Q     00年3Q    00年3Q
メーカー       出荷台数  市場シェア  出荷台数  市場シェア   増減率
                            (%)               (%)      (%)

Compaq             990      11.4        1,220     13.2       -18.8
Dell               749       8.6          709      7.7         5.6
Fujitsu Siemens    638       7.4          838      9.1       -23.9
Hewlett-Packard    623       6.8          621      7.0        -0.3
IBM                462       5.3          663      7.2       -30.4
その他           5,200      60.0        5,157     56.0         0.8
合計             8,661     100.0        9,212    100.0        -6.0

出典:Dataquest社

 EMEAにおける企業向け分野のパソコン出荷台数は4.3%減の650万台,消費者向けは10.7%減の210万台。企業向けがEMEA市場全体の75%を占めた。ノート・パソコンの出荷台数が6.8%増加したが,デスクトップ・パソコンは8.8%減少した。

 ドイツ,英国,フランスは出荷台数がそれぞれ15.2%減,12.2%減,12.4%減となった。西欧市場で出荷台数が伸びた国はイタリア(10%増)だけだった。ロシアは前年同期比50.4%増で,引き続きEMEA市場で最も急速な伸びをみせた。

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