米GartnerのDataquestが米国時間8月3日に,2001年第2四半期における西欧とEMEA(欧州,中東,アフリカ)のパソコン市場に関する調査結果を発表した。それによると西欧市場の合計出荷台数は602万台にとどまり,前年同期比4%減となった。西欧市場で前年同期比の伸び率がマイナスを記録したのは今回が初めて。
消費者向けが急速に落ち込んだことが要因である。「消費者向けの衰退ぶりには注意が必要だが,企業向けは見通しが明るい。大規模企業分野は安定した伸びをみせている。しかし,コンピュータ・ハードウエアの小売り販売が全般的に不振に陥っているため,全体的な市場の様相が誤って解釈されている」(Dataquest社Computing Platformグループ部門アナリストのBrian Gammage氏)。
2001年第2四半期におけるEMEAの出荷台数は838万台で,前年同期と比べて0.1%増加。米Dell Computerは価格引き下げによって出荷台数を増やし,首位メーカーの米Compaq Computerを追い上げている。米Hewlett-Packardはチャネル戦略が功を奏し,2ケタの伸び率を示した。米IBMは,伸び率が低いながらも出荷台数を増やした。
■2001年第2四半期におけるEMEAのパソコン出荷台数(単位:1000台)
メーカー | 2001年2Q | 2000年2Q | ||
出荷台数 | 市場シェア(%) | 出荷台数 | 市場シェア(%) | |
Compaq | 1,149 | 13.7 | 1,221 | 14.6 |
Dell | 754 | 9.0 | 655 | 7.8 |
Hewlett-Packard | 618 | 7.4 | 547 | 6.5 |
Fujitsu Siemens | 609 | 7.3 | 682 | 8.2 |
IBM | 552 | 6.6 | 517 | 6.2 |
その他 | 4,694 | 56.0 | 4,745 | 56.7 |
合計 | 8,375 | 100.0 | 8,368 | 100.0 |
出典:Dataquest社
企業向け出荷台数は5.7%増の650万台で,EMEAにおけるパソコン出荷台数全体の77%を占めた。大企業向けが2ケタの伸び率をみせたが,中小企業分野はあまり伸びなかった。消費者向け出荷台数は190万台で,15.4%減少した。
ノート・パソコンの出荷台数は10.4%増加した。しかし従来と比べると大幅に伸び率が下がっている。デスクトップ・パソコンの出荷台数は2.2%減少した。
2大市場であるドイツと英国は,それぞれ11.9%減,7.3%減となった。3位のフランスは企業向けが好調で7.8%増加。ロシアは最も高い伸びをみせ,38.3%増加した。
◎関連記事
■「Q2の世界PC市場,1986年以来初めてのマイナス成長」と米データクエスト
■「Q2の世界PC市場は2980万台で前期比7.2%減,米デルが一人勝ちの様相」と米IDC
■Q1の米国パソコン市場はマイナス成長,世界市場は3.5%増で過去最低の伸び
■「2001年のPC出荷台数は1ケタ成長の可能性も,回復は2002年」と米データクエスト
■「2000年PC世界市場は14.5%増,米国市場は10.3%増と減速」と米データクエスト
■2000年の欧州PC出荷台数は前年比6%増,Q4は消費者向けがマイナス成長
■「Q4の世界PC市場,米国以外は堅調で前年同期比19.6%増」と米IDCが予測