米IDCが米国時間7月19日に,2001年第2四半期の世界パソコン市場に関する調査結果を発表した。2001年第2四半期の出荷台数は2980万台で,前年同期比2%減,前期(第1四半期)と比べて7.2%の減少だった。アジア市場の成長が減速し,米国市場は引き続き不振だった。

 日本は2000年に30%成長を記録したが,2001年第2四半期の出荷台数は前期と比べて横這いにとどまった。消費者と企業が購入を先送りまたはキャンセルしたためである。

 「日本市場は,2002年に横這いから減少となるだろう」(IDC,Worldwide Quarterly PC Tracker部門ディレクタのLoren Loverde氏)。

 その他のアジア市場も経済や通貨の影響を受けた。中国とインドはアジア市場における成長の牽引役となっていたが,消費者の支出が落ち,政府機関の技術への出費が低下したため著しく伸び率が減少した。

 欧州も伸び率が減少したが,それほど急激ではなかった。欧州では消費者の需要減を企業の支出増が埋め合わせており,第2四半期もその状態は変わらなかった。しかし,企業の支出増加率が緩やかになり,ノート・パソコンの出荷台数が過去数四半期と比べて大幅に減少したため,全体的な伸び率は低下した。

 米国市場は前年同期比8.1%減,前期比1.3%減で,予測をわずかに下回った。ちなみに1994年~2000年の第2四半期における伸び率の前期比は平均4.1%増である(減少したのは2000年のみ)。

 メーカー別でみた場合,米Dell Computerが積極的な低価格戦略と市場変化に対する機敏な対応によって,競合他社を引き離して首位を獲得した。出荷台数と市場シェアを伸ばしたメーカーはDell社だけだった。また同社は米国市場で10%,アジア市場で40%以上も出荷台数が増えた。

■米国市場における出荷台数ベースの上位メーカ5社(速報値/単位:1000台)


順位
メーカ 2001年Q2
出荷台数
市場シェア 2000年Q2
出荷台数
市場シェア 2000-2001
の増加率
1 Dell 2,519 24.0% 2,293 20.1% 9.8%
2 Compaq 1,332 12.7% 1,693 14.8% -21.3%
3 Hewlett-Packard 991 9.4% 1,221 10.7% -18.8%
4 Gateway 798 7.6% 964 8.4% -17.2%
5 IBM 638 6.1% 713 6.2% -10.6%
その他 4,224 40.2% 4,542 39.8% -7.0%
合計 10,501 100.0% 11,426 100.0% -8.1%

*数値にはOEM販売を含まない。販売チャネルおよび直販を通じたの出荷台数が含まれる。
*数値は各社の決算期での報告によるもの。
出典:IDC

■世界市場における出荷台数ベースの上位メーカ5社(速報値/単位:1000台)

順位 メーカ 2001年Q2
出荷台数
市場シェア 2000年Q2
出荷台数
市場シェア 2000-2001
の増加率
1 Dell 3,979 13.4% 3,459 11.4% 15.0%
2 Compaq 3,590 12.1% 4,011 13.2% -10.5%
3 IBM 2,133 7.2% 2,260 7.4% -5.6%
4 Hewlett-Packard 2,065 6.9% 2,260 7.4% -8.6%
5 Fujitsu Siemens 1,375 4.6% 1,391 4.6% -1.1
その他 16,641 55.9% 17,002 56.0% -2.1%
合計 29,783 100.0% 30,383 100.0% -2.0%

*数値にはOEM販売を含まない。販売チャネルおよび直販を通じたの出荷台数が含まれる。
*数値は各社の決算期での報告によるもの。
*Fujitsu Siemens社の数値には,富士通とドイツSiemensの出荷台数が含まれる。
出典:IDC

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