米Gartner GroupのDataquestが英国時間2月1日に,2000年の欧州パソコン市場について調査した結果を発表した。

 2000年第4四半期にエントリ・レベルの消費者向けパソコンが低迷したため,2000年の欧州におけるパソコン出荷台数は3530万台と前年比6%の伸び率にとどまった。

 2000年第4四半期のパソコン出荷台数は1100万台で,前年同期と比べて2%増加。しかし消費者向け分野は4.7%減となった。

 「1年前と比べてパソコンの価格は低下している。しかしエントリ・レベルなど低価格帯では,ユーロ安の影響により消費者にとって値ごろ感のある価格にはならなかった。価格の高い消費者向けパソコンは出荷台数を伸ばした」(Gartner Dataquest社Computing PlatformグループのアナリストBrian Gammage氏)。

 メーカ別でみると,最も大きく成長したのは米Hewlett-Packard(HP)で,業界全体の成長率を約4倍も上まわった。米IBMを抜いて欧州第4位につけた。富士通と独Siemens AGの合弁子会社Fujitsu Siemens ComputersとIBM社はマイナス成長となった。米Dell Computerと米Compaq Computerはわずかに成長した。

■2000年の欧州におけるメーカー別パソコン出荷台数(速報値,単位:1000台)

メーカー 2000年の出荷台数 2000年の市場シェア
(%)
1999年の出荷台数 1999年の市場シェア
(%)
成長率(%)
Compaq 5,242 14.8 5,081 15.2 3.2
Fujitsu Siemens 3,336 9.4 3,574 10.7
Dell 2,812 8.0 2,725 8.2 3.2
HP 2,543 7.2 2,064 6.2 23.2
IBM 2,454 6.9 2,536 7.6 -3.2
その他 18,930 53.6 17,344 52.0 9.1
合計 35,317 100.0 33,324 100.0 6.0

注:PCサーバ,デスクトップ・パソコン,ノート・パソコンを含む
出典:Gartner Dataquest社

 2000年における企業向け(プロフェッショナル分野)の出荷台数は2530万台で,1999年と比べて3.7%の増加。パソコン市場全体の72%を占めた。家庭市場向けの出荷は前年から1000万台(12.2%)増えた。

 国別でみると,首位はドイツで710万台を出荷し,前年と比べて4.3%増加した。英国は610万台で同7.9%増,フランスは430万台で同1.1%減となった。ロシアが最も伸び率が高く,前年比28.9%増で140万台を出荷した。

 「Windows 2000が普及し,2001年にパソコンの買い換えが起これば,市場は大きく成長するだろう」(Gammage氏)。

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