米Nielsen Norman Group(NNG)が米国時間10月17日に,身体に障害のある人を対象としたWWWサイトのユーザビリティに関する調査結果を発表した。

 調査はNNG社が日米で実施したもの。視力に障害のある人や機能障害のある人と健常者の合わせて104人に以下の四点についてインターネットを利用してもらい,結果を比較した。

1)情報収集:テキサス州ダラスにおける1月の平均気温を調べる
2)オンライン・ショッピング:ディスカウント・スーパー米TargetのWWWサイトで,Janet Jacksonの音楽CD「All for You」を購入する
3)情報収集: Transit Chicagoサイトを使って,シカゴのO'Hare空港からシカゴ市内の特定の地点に行くためのバスを探す
4)米SchwabのWWWサイトで,特定のカテゴリで最も実績の高い投資信託を探す

 結果は以下の通り。

・タスクの完了: 音声読み上げ技術を使った視力障害のあるグループで,制限時間内にタスクを完了できたのはわずか12.5%にとどまった。拡大鏡を使用したグループは21.4%。健常者のグループは78%が完了した。

・タスク完了時間: 視力障害グループは16分34秒,拡大鏡使用グループが15分26秒,健常者グループが7分14秒。

・エラー(全タスクの平均): 視力障害グループ2.0,拡大鏡使用グループ4.5,健常者グループ0.06。

・スコア(1~7/7を最高とする): 視力障害グループ2.5,拡大鏡使用グループ2.9,健常者グループ4.6。

 「身体に障害のある人でも,インターネットを使うことで,例えば新聞を読むなど従来はできなかったこともできるようになった。しかし,障害者のWWWのユーザービリティは健常者と比べ1/3から1/6程度にとどまっている。障害者にとってWWWサイトのユーザビリティはまだまだ十分なレベルとはいえない」(NNG社)。

 なお,NNG社はインターネット関連のユーザビリティの分析を専門とするシンクタンク。WWWサイトやソフトウエアのユーザー・インタフェースなどを調査している。

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