米IBMが米国時間10月12日に,低消費電力のマイクロプロセサ「PowerPC 405LP」を発表した。ハードウエア・アクセラレータの内蔵や動作していない部分に対する電力供給を断つことで,消費電力の低減を図った。
405LPは,電池で動作する携帯機器に向けたプロセサ。アプリケーションの負荷に応じ,プロセサの動作を動的に変更することで消費電力を抑える。また405LPは,消費電力をほとんどゼロに抑えながら,スクリーンをスタイラス・ペンで触れるなどの外部による“刺激”で即座に起動するモードを備えている。このほか,音声認識や暗号化処理に向けた機能を組み込んだ。
このプロセサは,低消費電力の製品開発および研究を専門とするLow-Power Computing Research Centerが初めて開発した製品。今回明らかにした技術の詳細は,10月15日~19日にサンノゼで開催予定のマイクロプロセサ関連のフォーラム「Microprocessor Forum」で発表する。
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