米NPD INTELECTが米国時間10月11日に,「米国における携帯情報端末(PDA)の販売台数が2001年8月に11.9%増加した」とする調査結果を発表した。
ちなみに1年前の2000年8月は,販売台数が207.5%も増加した。平均小売価格が1年間で283ドルから248ドルに下がったにもかかわらず,2001年8月の11.9%という伸び率は2000年8月以来最低の数値という。
調査結果によると,2001年8月におけるPalm OS対応機器の販売台数シェアは,小売り市場で82.5%と安定している。しかし,7月に平均価格が254ドルから236ドルに下がったため,売上高ベースのシェアはわずかに下がり78.5%となった。
大きく価格を下げたPocket PC対応機器の売上高ベースのシェアは,7月の10.2%から8月は13%に拡大した。Pocket PCメーカー各社は10月始めに発売するPocket PC OSの新版に対応するため,7月から8月にかけ470ドルから380ドルへと大幅な値下げを行っている。
■表1 PDAメーカー別シェアと平均小売価格(2001年8月)
台数シェア | 台数の伸び率 (対2000年8月) |
平均小売価格 (ドル) |
平均小売価格の変化 (対2000年8月) |
|
Palm | 51.2% | -16.7% | 242 | -12.0% |
Handspring | 19.5% | 14.9% | 194 | -15.7% |
ソニー | 10.4% | 対象外 | 275 | 対象外 |
Compaq | 8.3% | 28.5% | 418 | -15.7% |
カシオ計算機 | 4.3% | 177.9% | 132 | -45.5% |
出典:NPD INTELECT社
「販売台数が多少なりとも増えたが,8月のPDA販売は大成功といえる状況でなかった」(NPD INTELECT社上級ハードウエア・アナリストのStephen Baker氏)。同氏は米Compaq Computerと米Handspringの販売台数の伸びについて,「大幅な値下げがその理由で,季節的な要因ではない」と分析する。
米Palmのシェアは51.2%と,この1年間で最低となった。「Handspring社とCompaq社は積極的な価格戦略で成長し,ソニーは製品ラインナップの拡充で大きな伸びをみせた」(NPD INTELECT社)。また,「Palm M100」が4カ月連続して販売台数で首位に立ち,販売台数ベースの上位4機種はすべてPalm社製品が占めた。
なお今回NPD INTELECT社は,消費者を対象にしたPDAの購入習慣に関する調査結果を発表した。それによると,PDA購入者の70%以上を25歳から54歳の男性が占めている。また,購入するPDAを決める際に,ブランドが最大の理由であることがわかった。
■表2 購入したPDAを選んだ理由のトップ5
信頼できるブランドだから | 31% |
最新技術を使っているから | 19.5% |
望んでいる機能のある製品だから | 12.9% |
友人などから勧められたから | 10.3% |
予算に合うブランドだから | 10% |
出典:NPD INTELECT社
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