「企業向けの携帯端末(PDA)市場でPocket PCがPalmの地位を脅かしている」。米IDCが米国時間10月9日に,企業のモバイル化と携帯端末に関する調査結果を発表した。調査は企業で1100名以上のITマネジャを対象におこなった。

 参加企業(少なくとも500台の携帯端末を使用中)の約36%がPocket PCで標準化することを「計画している」または「検討している」と回答した。これに対しPalm OSは20.9%に留まった。

 同社によれば,経済の不確定さと厳しいIT予算のなかで,企業は携帯端末を真の生産性ツールとして認識するようになっている。Palmは個人ユーザーのニーズに見合うために広く知られるようになったが,企業ユーザーの領域では,Pocket PCプラットフォームとパートナ企業(米Hewlett-Packard,米Compaq Computer,東芝など)が手ごわい競争相手になるとみられる。

 その他の主な調査結果は次の通り。

・ハードウエアの競争は激烈で,まだ単独で首位の足場を固めた企業はない。

・無線機能が牽引力となって,より多くの企業が携帯端末を採用するようになる。

・付加価値再販業者とシステム・インテグレータが主なチャネルとなっているが,購入者は直接購入できるチャネルへの移行を望んでいる。

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