Pocket PC 2002米Microsoftが米国時間10月4日に,PDA向けOSの新版「Pocket PC 2002」のリリースを発表するとともに,Pocket PC 2002搭載機の発売が始まったことを明らかにした。

 Microsoft社CEOのSteve Ballmer氏が発売イベントで発表を行ったもの。ロンドン(英国)とサンフランシスコの同時イベントには,1000社以上のPocket PCハードウエアとソフトウエア・ベンダやユーザーが参加した。

 「Pocket PC 2002ではユーザー・インタフェースを刷新し,新たな機能を追加した。ビジネスの必需品になるだろう」(Ballmer氏)。Pocket PC 2002の主な特徴は以下の通り。

・「Today Screens」のカスタマイズ機能や自動コンフィギュレーション機能などを拡充した。Windows Media Playerの新版「8」を搭載する。電子ブック閲覧ソフト「Microsoft Reader」の新版「2.0」を組み込む。Palm OS機との相互運用性も高めた。

・企業ユーザー向けとして,「Terminal Services」と呼ぶWindowsベースのサーバーへのアクセス機能を装備。パスワードによるセキュリティ機能やVPNへの接続機能などを備える。

・IEEE 802.11b,Bluetooth,CDPD (Cellular Digital Packet Data),GSMに対応可能な枠組みを用意し,ネットワーク機能を拡充した。同期化の遠隔操作機能の向上も図った。同期化機能は「ActiveSync」の新版「3.5」に対応する。「3.5」では電子メールの受信箱のサブフォルダに対する同期化機能などを組み込んだ。「MSN Messenger Service」には,ユーザーが頻繁に使うメッセージの表現をあらかじめ設定できる新機能「My Text」を加えた。

 Microsoft社によると,22社のハードウエア・メーカーがPocket PC 2002対応を表明しているという。台湾のAcer,米Audiovox,ETEN社,富士通,Inventec社,Itautec社,NEC米国法人のNEC USA,英O2(旧BT Cellnet)は,次期PDAにPocket PCを搭載する予定である。なお,現在Pocket PC搭載機を発売しているメーカーは,カシオ計算機,Cesscomm社,Compal Electronics社,米Compaq Computer,米Hewlett-Packard,Hi-Tech Wealth Electronic Product社,HTC社,Intermec Technologies社,Legend社,Mitsubishi Electronic Group社,SAGEM社,ドイツのSiemens AG,米Symbol Technologies,東芝などがある。

 欧州市場では,Mitsubishi Electronic Group社とSAGEM社が無線対応のPocket PC搭載機を発売している。O2社も無線対応のPocket PC搭載機を投入する予定である。

 また,Microsoft社は同期化技術「Server ActiveSync」を披露した。Pocket PC 2002搭載機と「Exchange 2000 Servers」とで,電子メールやカレンダのデータの同期化を行う。Server ActiveSyncは「Mobile Information 2002 Server」の一部として提供する。

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