米Rambusが,米Intelと包括的なクロスライセンス契約を改めて結んだ。両社が米国時間9月17日に明らかにしたもの。従来からのライセンス契約をいったん破棄し,Rambus社の保有する全ての特許を対象とした。
これまでIntel社が使えたRambus社の特許は,Rambus DRAM(RDRAM)とDirect RDRAM向けのインタフェースが対象だったが,今回の改定でSDRAMおよびDDR SDRAMのインタフェースが含まれるようになった。つまりSDRAM対応のチップセットに使う技術も対象となる。SDRAM/DDR SDRAMインタフェースを備えたパソコン向けチップセット・メーカーで,Rambus社とライセンス契約を結んだのはIntel社が初めて。
なおこれまでRambus社は,SDRAM/DDR SDRAM関連特許に関して日韓9社とライセンス契約を締結しているが,米国企業はIntel社が初めてである。ちなみに9社は,NEC,日立製作所,エルピーダ メモリ,東芝,三菱電機,沖電気工業,松下電器産業,松下電子工業,韓国のサムスン電子である。
今回のライセンス契約によってIntel社はRambus社にかなりの使用料を支払うことになるが,詳細は明らかにしていない。
今回のクロスライセンス契約は,Rambus社の全特許を対象としており,通信や民生機器向け高速インタフェース技術「(Serializer/Deserializer)」「Quad Rambus Signaling Level (QRSL)」も含まれる。SerDesは,伝送速度3.125GbpsのI/Oセルの技術である。一方のQRSLは,既存のDirect Rambusインタフェースに比べて2倍のデータ伝送能力を備える双方向のバス技術で,民生機器向けである。
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