米Yankee Groupが英国時間7月24日に,欧州のモバイル・インフラ市場に関する調査結果を発表した。トップ・ベンダーは,スウェーデンのEricsson,フィンランドのNokia,カナダのNortel Networksだった。

 米Motorola,米Lucent Technologies,フランスのAlcatelはGSMから第3世代(3G)への移行とともに苦戦を強いられるという。

 「3G無線技術への移行はインフラ・ベンダーに膨大な需要をもたらしている。その一方で勝者と敗者がはっきりと分かれている。Nortel社などは3G移行によって市場シェアを大幅に拡大し,急速に順位を上げた。Motorola社などその他のベンダは3Gの波に乗り遅れたようだ」(Yankee Group社上級アナリストのSimone Roberts氏)。

 その他の主な調査結果は以下の通り。

・市場シェアでみた場合,Ericsson社がライバルであるNokia社を上回った。Ericsson社は買収や提携プログラムなどで,RAN(radio access network)分野に向けた能力拡充を図っている。

・Nokia社,ドイツのSiemens AG,Alcatel社,Lucent社はいつもの順位にとどまっている。Nokia社の携帯電話機市場における勢いや2.5G技術などを考えると,全体的にはNokia社の方がEricsson社より優勢とみる。

・Motorola社は欧州で業績が思わしくない。GPRSでの売り上げに注力するあまり,3G戦略がおろそかになっている。同社の欧州における無線インフラの市場シェア(売上高ベース)は急激に低下している。

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