「多額のコストがかかるうえに開始が遅れ,市場状況も好ましくないが,第3世代(3G)携帯電話方式は欧州モバイル事業者が進むべき唯一の道である」。米Yankee Groupが英国時間7月23日に,欧州の3G事業に関する調査結果を発表した。

 「今後数年間でモバイル・ユーザーが生み出す膨大なデータ・トラフィックに対応するには,3Gの転送速度と能力が不可欠だ」(Yankee社)。

 Yankee社上級アナリストのSimone Roberts氏は,「3Gに関する最近の意見は短期的な見方が多く,やや悲観的だ。3Gは長期的戦略と考えるべきである。多数の3G事業者が今後2年~3年を切り抜け,納得のいくROI(投資回収)を達成することができる」とみている。

 その他の主な調査結果は以下の通り。

・欧州における3Gへの投資総額は,今後5年で約2740億ドルにのぼる。

・2001年に次世代携帯電話ネットワークを利用するユーザーはきわめて少ないが,2002年から急増し始める。2002年末にはGPRSが普及し,2004年末にはW-CDMAが一般的に利用されるようになる。

・新規の3G事業者は従来の第2世代(2G)事業者より厳しい課題に直面する。初期費用が重く,与えられる市場機会が限られているためである。

・3Gネットワークの開始は2002年以降だが,次世代サービスは今年中にGPRSで提供が始まる。通信事業者は市場で提供するサービスを吟味し,3Gネットワーク開始に向けて価値の高い顧客を確保するべきである。

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