米Frost & Sullivanが米国時間7月17日に,企業向け無線通信システム市場に関する調査結果を発表した。2000年における市場の売上高は2億1720万ドルだったが,2007年には5億5790万ドルに拡大するという。
VoIP(voice-over Internet protocol)への移行が無線LANの成長を促進している。VoIPと無線LANの組み合わせにより,企業のエンド・ユーザーはかつてないほど無線ネットワークで音声とデータを利用できるようになっている。
ほとんどの無線LANユーザーは現在,小売り販売やヘルスケア,製造関連でだる。しかし従業員が移動することの多い業界では,近い将来に無線通信ソリューションの導入が進むとみる。
しかし,エンド・ユーザーの認識度が低いほか,有線と比べたコストの高さが市場の成長を妨げているとFrost & Sullivan社は指摘する。例えば,社員1人あたりの無線拡張コストは平均1000ドル,有線では300ドルである。
「ベンダーはコストの高さを正当化するために,無線システム導入によって生じる利益を企業に説明する必要がある」(Frost & Sullivan社業界アナリストのNitin Babbar氏)。
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