「携帯電話サービスの需要は堅調。当社にとっては非常に好調な四半期となった」。米国最大の無線通信サービス・プロバイダである米Verizon Wirelessが米国時間7月5日に,2001年第2四半期における新規加入者数が80万7000強となったことを明らかにした。

 これにより,同社が抱える加入者数は合計2800万を突破,前年同期の2540万と比べ10%増となった。ちなみに,第1四半期の新規加入者数は51万8000件だった。

 また,解約率についても第1四半期の2.8%から第2四半期には2.3%へと減少したという。特に,前払いプランの利用者による解約率が2.0%と低水準となった。

 Verizon Wireless社では,「家電小売チェーンの米RadioShackとの提携や,割安感のある料金前払いプランを投入したことなどが顧客の獲得に奏効した」と分析している。RadioShack社は全米に7200の店舗を擁するチェーン店。両社の提携により,RadioShackの店内などでVerizon Wireless社の携帯電話サービスのプロモーションを展開している。

 Verizon Wireless社は,旧Bell Atlantic社とGTE社(現Verizon Communications社)と英Vodafoneが2000年4月に立ち上げた合弁企業。米国50州のうち,アラスカ州を除く49州でCDMAサービスを提供している。業界第2位の米Cingular Wirelessは38州でサービスを提供,加入者数は2000万。Cingular社は2000年10月に米SBC Communications社と米Bell Southが両社の携帯部門を統合して設立した合弁企業である。

 米国の携帯電話サービス市場は,Verizon Wireless社を筆頭に,Cingular Wireless社,米AT&T Wireless,米Sprint PCSの4社が市場を分け合っている。米The Industry Standard誌が発表した2001年第1四半期における4社の加入者数は以下の通り。


■表 米国携帯電話サービスのプロバイダ別加入者数

順位 サービス・プロバイダ 加入者数
 1. Verizon Wireless   2700万
 2. Cingular Wireless   2000万
 3. AT&T Wireless     1500万
 4. Sprint PCS      1100万


出典:The Industry Standard社

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