米BellSouthと米SBC Communicationsは米国時間10月5日,両社の無線通信関連事業の統合したと発表した。両社の無線通信関連事業を移管する新会社「Cingular Wireless」を設立し,事業を開始したという。“Cingular”の由来は「個々のお客様と合弁事業の結束の重要性を表したもの」(Cingular社社長兼CEOのStephen Carter氏)。

 BellSouth社とSBC社は米国時間4月5日に,両社の米国内無線通信事業を統合する新会社を共同出資で設立すると発表していた。「Cingular社が抱える顧客数は1900万。米国の38州および,コロンビア特別区,二つの米国準州を合わせた潜在顧客数は1億9000万。米国の上位50市場のうち42市場をカバーし年商120億ドルを達成することが目標。米国の上位150社の1つとなる」(両社)。

 Cingular社への出資比率は,SBCが60%,BellSouthが40%。社長兼CEOのStephen Carter氏は,筆頭株主であるSBCの無線通信事業部門であるSBC Wirelessで社長を務めていた。 BellSouthとSBCは,両社の既存資産にへCingularのブランド名を付け,マーケティング活動を展開していく。2001年はじめには両社の11種類の既存ブランドをすべてCingularブランドへ変更する。また消費者に向けたマーケティング・キャンペーンも1月に開始する。両社は同一の料金プランを顧客に提供する計画も立てている。「さまざまな料金プランを提供することで顧客のニーズに応え,また全米で料金を統一することで簡素化する」(Carter氏)。

 なお新会社の設立については,2000年5月26日に欧州連合がすでに承認しており,8月30日には司法省が,市場を独占するおそれのある地域における無線事業の売却などの条件のもと承認した。その後も米連邦通信委員会(Federal Communications Commission)が調査を行っていたが,9月29日に調査を完了している。

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