米Cahners In-Statが米国時間6月4日に,「今後5年間にわたって世界の携帯電話加入者数が著しく伸び,2005年には世界における普及率が24%に達する」とする調査結果を発表した。

 とりわけ中国の伸びが目覚ましく,2001年第3四半期には米国を抜いて首位に踊り出るとIn-Stat社は予測する。

 「第3世代(3G)技術の提供が大きな役割を果たすことは間違いないが,そのためのインフラなどにキャリアが投じたコストは巨額となっており,販売収入の増加ですぐに相殺できるレベルではない。2005年までに投資分を黒字転換できるキャリアはまずないだろう」(In‐Stat社主席アナリストのRay Jodoin氏)。

 キャリアは利益を上げられる2.5Gサービスをある程度維持しなければならない現状と,3Gベースのサービスへ迅速に移行を進めたいという立場のはざまで葛藤している状態だとIn-Stat社は指摘する。In-Stat社によるその他の調査結果は以下の通り。

・アメリカ大陸市場で,GSMの利用が伸び,通信方式別で2位に浮上する。
・地域別の成長率をみると,アメリカ大陸市場が年平均14.5%で拡大する。カナダ,CALA(カリブ海地域および南米),米国の順で伸びる。欧州市場は同5.8%。ロシアの伸びが最も大きく,東欧,西欧の順となる。

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