「2001年第1四半期における世界の携帯電話機市場は,販売台数ベースで前年同期比12%増の成長率にとどまり,2000年1月時点の伸び率59%を大きく下回った」。米Strategis Groupが米国時間4月30日に携帯電話機販売に関する調査結果を発表した。

 2001年第1四半期の販売台数は1億100万台だった。前年同期は9000万台。「経済減速の影響を受け,販売が伸び悩んでいる。市場は飽和状態にあり新規加入者が減少している。買い替えも予想を下回った」(Strategis社)。

■携帯電話機の販売台数推移/1999年~2001年の第1四半期を比較(単位:100万台)

  販売台数 成長率
1999年1Q 57 62%
2000年1Q 90 59%
2001年1Q 101 12%

出典: The Strategis Group

 Strategis社によれば,2000年第1四半期の市場では新規加入者の割合が全体の55%を占めていたが,2001年には38%へと低下した。欧州市場とアジアの一部では普及率が80%に達し,飽和状態にあると分析している。

 「経済が好転し需要が上向いて収益が確保できる,という展開は今のところ期待できそうにない。生産コストが高いこともベンダー企業にとっては痛い。株価は下落し,増資も厳しくなっている。残念ながら,携帯電話機市場は下り坂の局面に入っている」(Strategis社シニア・アナリストのSylvia Panayi氏)。

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