米IDCが米国時間6月25日に,インターネット・サービスの世界市場を調査分析した結果を発表した。2000年に220億だった市場は2005年には3倍の690億ドル規模に拡大するという。「インターネット・サービスの市場が終焉を迎える」という噂は誇張されたものだったと同社は結論づける。

 ドットコム企業のバブルがはじけたことで,インターネット・サービス企業のビジネス機会が消滅したという推測が広がっている。しかし「ビジネスは別の形態へと変化するものの,その活力はこれまでにないほど大きい」(同社Internet services部門上級アナリストのPooneh Fooladi氏)。

 同氏によると,EC(電子商取引)が今後も継続してインターネット・サービスの市場を牽引していくという。ECは企業の戦略にとって不可欠な要素になりつつあり,また他のITの取り組みとECの結合が今後進むとIDCはみる。

 mコマースも,インターネット・サービス企業のビジネスを活気づける要素となる。モバイル・ソリューションの支出額が2000年の14億ドルから2005年には400億ドル近くにまで伸びると予測する。

 「企業はもはや有線接続の機器だけで利用可能なソリューションでは満足しない。さまざまなモバイル機器にも適用したいと考えている」(同氏)。これにより,インターネット・サービス企業だけでなく,すべてのITサービスやソフトウエア提供者に相当なビジネス機会がもたらされるという。

 インターネット・サービスの市場を地域別でみると,最大の市場となるのは米国。今後2005年まで,全世界の40%以上を占めるという。

 モバイル向けソリューションの支出額でみると,西欧が現在全世界の50%を占めており,世界のどの地域よりも多い。米国市場は今後拡大し,2005年には全世界の40%以上を占めるまでになるという。

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