米DisplaySearchは米国時間5月10日,2001年第1四半期における小~中型ディスプレイの出荷台数に関する調査結果を発表した。携帯電話機,PDA,ハンドヘルドPC,ビデオ・カメラ,デジタル・カメラ,車載モニタ(カーナビ,車載テレビ,車載情報システム)の六つのカテゴリ別にデータを分析したもの。
「大型ディスプレイの利幅がほとんどなくなっているため,小~中型ディスプレイ市場に目を向け,参入するサプライヤが増加している」(DisplaySearch社社長のRoss Young氏)。
主な調査結果は以下の通り。
・例年通り季節的な要因により,2001年第1四半期はすべてのカテゴリで前期と比べて出荷台数が減少した。携帯電話機市場では季節的な要因に加え,チャネル在庫の増加が影響して最も大きく落ち込んだ。
・携帯電話機向けディスプレイの出荷台数は前期比15%減の1億420万台。そのうちモノクロSTN LCDが87%を占めた。カラーSTN LCDとAMLCDの割合はそれぞれ10%と3%だった。サプライヤ別にみた場合,セイコーエプソンが市場シェア30%で首位を獲得し,AMLCD出荷台数全体の56%を占めた。ディスプレイ調達台数が最も多かったのはフィンランドのNokia(OEMを含む)で,携帯電話機向けディスプレイの34%を購入した。
・2001年第1四半期におけるPDA/ハンドヘルドPC向けディスプレイの出荷台数は,前期比4%減の350万台となった。そのうち61%がモノクロSTN LCDで,カラーSTN LCDが8%,AMLCDが31%だった。シャープがAMLCD出荷台数の52%を占めた。ブランド別では,米PalmがPDA/ハンドヘルドPC向けディスプレイの58%を購入した。PDA向けディスプレイの出荷台数は,PDA/ハンドヘルドPC向けディスプレイ全体の90%以上に及んだ。
・2001年第1四半期における車載向けAMLCDの出荷台数は105万台で,前期から12%減少した。このカテゴリで最も多いタイプは5.8インチのTFT LCDである。サプライヤ別首位はシャープで,44%の市場シェアを獲得した。ブランド別首位はデンソー(OEMを含む)で,調達台数が19%を占めた。
・2001年第1四半期におけるビデオ・カメラ向けAMLCDは,前期からわずかに2%減少して312万台となった。2.5インチのTFT LCDが74%を占めた。サプライヤ別首位は市場シェア24.5%を獲得したシャープ。ブランド別首位はソニーで,調達台数が41%を占めた。
・2001年第1四半期におけるデジタル・カメラ向けAMLCDは,前期比12%減で363万台。そのうち64%が1.8インチのAMLCDだった。1.5インチのディスプレイがコスト削減の要求に応じて,今後大幅にシェアを伸ばすとみる。サプライヤの1位は三洋電機で市場シェアは30%。ブランド別では,ソニーが調達台数ベースのシェア22%を占めて首位となった。
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