米DisplaySearchが米国時間3月5日に,2000年第4四半期と2000年通年における大型(10.4インチ以上)TFT LCDの世界市場に関する調査結果を発表した。

 2000年第4四半期における大型(10.4インチ以上)TFT LCDの出荷台数は840万枚で,2000年第3四半期と比べて1%減となった。事前の予測枚数台数を103万5000台下回った。ノート・パソコン市場の低迷が主な要因とみられる。

 ノート・パソコン市場の大型TFT LCD使用率は,予測していた90%より7ポイント低い83%だった。ノート・パソコン用モジュールの出荷台数は79万3000台。前期から4%減少したが,前年同期と比べると13%増だった。

 LCDモニタ用モジュールの出荷台数は約19万5000台。予測より少なかったものの前期比8%増,前年同期比48%増となった。非パソコン向けモジュールの出荷台数は約4万5000台で,これも予測を下回った。しかし前期比9%増,前年同期からは83%増加した。

 大型TFT LCDの売上高は32億8600万ドルで,前期からは12%減少,前年同期比9%減となった。

 2000年通年でみた場合,大型TFT LCDの出荷台数は前年比33%増の3060万台。非パソコン向けが前年から79%も増加し,最も急激に伸びた。次いでLCDモニタ用モジュールが36%増,ノート・パソコン用モジュールが30%増加した。

 サプライヤの首位は韓国のSamsungが維持した。出荷台数は625万台で前年比47%増。ノート・パソコン市場におけるシェアは25.1%(1999年のシェアは21.1%),LCDモニタ市場のシェアは10.3%(同13.6%)だった。

 韓国のLG.Philipsは,出荷台数430万台で引き続き2位を獲得。前年から21%増加したものの,シェアは15.5%から14.0%に縮小した。

 シャープは小~中型TFT LCDに注力したため3位から4位に順位を下げた。しかし,新設工場などの生産能力向上により,2001年には大型TFT LCDの巻き返しが期待される。

 地域別でみると,台湾の出荷台数は前年と比べて724%増と急増した。シェアを1999年の2.1%から2000年は13.0%に拡大した。日本は前年比8%増で,シェアは62%から51%に縮小。韓国は前年比37%増で,シェアは36%から37%とわずかに拡大した。

■大型TFT LCD市場のサプライヤ上位10社

順位 サプライヤ 1999年のシェア サプライヤ 2000年のシェア 2000年の成長率
1 韓国Samsung 18.6% 韓国Samsung 20.5% 47%
2 韓国LG.Philips 15.5% 韓国LG.Philips 14.0% 21%
3 シャープ 10.8% 日立製作所 10.1% 30%
4 日立製作所 10.4% シャープ 7.6% -5%
5 NEC 8.8% 東芝 6.8% 15%
6 東芝 7.9% NEC 6.6% 0%
7 鳥取三洋電機 6.2% 鳥取三洋電機 5.0% 8%
8 米IBM 5.7% 米IBM 4.6% 6%
9 台湾ADI 4.0% 台湾Acer 3.6% 497%
10 松下電器産業 3.2% 台湾ADI 3.1% 5%
  その他 8.9% その他 18.0% 113%
  合計 100% 合計 100% 33%

出典:DisplaySearch社

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