米Hewlett-Packard(HP)が米国時間4月18日に,2001年第2四半期(2月~4月期)の業績が事前の予想を大幅に下回るとの下方修正を発表した。

 売上高は前年同期比および前期比で2~4%程度落ち込む見通し。1株あたりの利益は13~17セント。アナリストらの事前の予測である35セントを大幅に下回る。ちなみに前年同期は1株あたり70セントだった。

 「世界的に消費者のIT関連支出が鈍化している。米国市場の落ち込みや他地域への波及が予想を上回る勢いで進んでおり,特に欧州地域での落ち込みがひどい」(HP社会長,社長兼CEOのCarly Fiorina氏)。

 HP社はこうした市場環境に加え,ドル高も4%程度収入を押し下げる要因となったと説明している。

 HP社は,販売不振となっている消費者向けの製品に関し,在庫圧縮のためおよそ1億5000万ドルを割り当てることも明らかにした。

 企業向け部門での売上高は消費者向けに比べて落ち込みが小さく,前期比でほぼ横這いか微増になるという。

 HP社は従業員の昇給を90日間先送りすることをすでに明らかにしているが,これに加え,管理職を対象に最大3000人規模の人員削減に踏み切る。

 Fiorina氏は,「市場環境における急激な変化などの要因にもよるが」と前置きした上で,「第3四半期(5~7月期)には前年同期比および前期比で売上高がほぼ横這い,粗利益は増加を見込んでいる」としている。Fiorina氏は同日行われたアナリスト向けのカンファレンス・コールで,「米国景気は好調を取り戻すところまではいかないものの底は打った」との見方を示した。

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