米Amazon.comが米国時間4月9日に,2001年第1四半期決算の速報を発表した。売上高は前年同期比21%増の6億9500万ドルとなる見込み。前年同期は5億7400万ドルだった。エレクトロニクス部門と海外市場が好調だった。

 一時費用を除く収支は約1億5000万ドルの赤字で,前年同期に計上した1億2200万ドルの純損失と比べ赤字額が拡大した。すでに発表しているリストラ費用を含めた場合の収支は2億5500万ドルの赤字。前年同期に計上した3億800万ドルの純損失と比べ,赤字額は減少している。売上高,純損失ともに,アナリストの事前予測を上回った。

 一時費用を除く1株当たり損失は22セントとなる見込みで,アナリストの予想である同30セントを8セント程度上回る見込み。前年同期は同35セントだった。粗利益は前年同期比35%増の1億7500万ドルとなる見通しであるという。

 すでに黒字化している米国市場では,エレクトロニクス関連に加え,書籍,音楽,ビデオの販売事業も好調で,売上高は微増にとどまるものの純利益が30%増を超える規模になるという。

 Amazon.com社CEOのJeff Bezos氏は,「これで5四半期連続で経営が改善している。期末時点でのキャッシュおよび株式を合わせた当社の資産は6億4000万ドル強。2001年末までには9億ドルを超える規模に拡大できる見込みだ」と強気の姿勢を崩していない。

 CFO(最高財務責任者)のWarren Jenson氏は,「この第1四半期は,当社の歴史において最高の決算内容となった」とコメントしている。

 なおAmazon.com社は1月末の2000年第4四半期決算発表時に,ジョージア州アトランタ郊外の配送センターおよびワシントン州シアトルの顧客サービスセンターの閉鎖,シアトルの配送センターは繁忙時だけの運用体制とするなどのリストラ策を発表している。これには従業員全体の15%に当たる1300人の人員削減が含まれている。

 2001年第1四半期決算の正式発表は4月24日を予定している。

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