最近は、とにかくさまざまなルートを経由してリード、すなわち見込み客となるケースが増えてきた。前回はコンタクトセンターのUXについて考えてみたが、今回はオムニチャネルマーケティングのUXについてまとめてみる。まず、オムニチャネルマーケティングを分かりやすく紹介した動画(2分51秒)があるので、ぜひご覧いただきたい。

なぜ、ルートが多角化したのか

 その答えはインターネットである。人には「賢く買い物をしたい」という気持ちがある。しかし以前、新聞チラシやテレビのコマーシャルなど限られた情報の中では、店舗で手に取り、見て、あとは即購入というのが一般的だった。また、車のような大型商品やカメラのような趣味商品であれば、関連雑誌を見て購入というパターンもあっただろう。いずれにしても、購入ルートは直線的で、購入シナリオもシンプルだった。ところがインターネットの進化は人々の購入スタイルに大きなイノベーションを起こした。以下に多角化した要素を挙げてみる。

  1. アクセスハードが多角化 (PC、Note、タブレット、スマホ)
  2. メディアが多角化(TV、Radio、新聞、雑誌、メールそしてインターネット(SNS、Web、EC)
  3. アクセスする方法が多角化 (店舗、セミナー、イベント、ショーウインドー)
  4. 店舗スタイルが多角化(個人商店、コンビニ、スーパー、デパート、アンテナショップ、専門店、セレクトショップ、アウトレット、ショッピングモール、ネットショップなどなど)

心理変化に伴い、行動も複雑化

 さまざまな物理的要素が影響し、お客さまのたどるルートが多角化してきたが、やはり最も変わったのは心の中、つまり心理ではないかと思う。多くの情報の中で「買う」か「借りる」かといった所有や利用の選択肢まで含め、購入時の迷いは尽きない。2011年の震災や昨今の自然災害、異常気象などの影響を受けたエコシステムを背景として、人々が直感的に賢い利用や購買のスタイルを肌で感じて、行動も慎重かつ複雑化したのではないかと、私は思う。

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