着々と進む国産砂型3Dプリンターの開発プロジェクト

 シーメット(本社東京)のブースには、現在、国のプロジェクトとして開発が進められている砂型3Dプリンター(砂型積層造形装置)の試作機で造形した砂型が展示された(図)。プロジェクトの開発主体である「TRAFAM(技術研究組合次世代3D積層造形技術総合開発機構)」には、シーメットの他に産業技術総合研究所、群栄化学工業、コイワイ、木村鋳造所、日産自動車、コマツキャステック、IHIが砂型3Dプリンターに関する組合員として名を連ねる。

図●砂型3Dプリンターで造形した砂型
図●砂型3Dプリンターで造形した砂型
左がシリンダーヘッド用、右がシリンダーブロック用の砂型。
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 展示された砂型は2種類。1つはシリンダーヘッド用の砂型で主型2点、中子11点で構成される。精度は±70μm、造形時間は360分、後処理時間は60分である。

 もう1つは、シリンダーブロックの砂型。こちらは主型2点、中子7点で構成。寸法精度は同じく±70μmで、造形時間は360分、後処理時間は60分だった。

 今後は、2015年度にプロトタイプ機を実用化し、2016年度後期からは積層造形速度5万cc(50L)/hを実現する砂型3Dプリンターの販売を開始する計画だ。最終目標である積層造形速度10万cc(100L)/hの装置は2018年度からの販売開始を計画している。

参考文献
1)中山,「プロ向けの最新3Dプリンタ続々、活況呈する『EuroMold 2013』」,『日経ものづくり』,2014年1月号,pp.18-19.
2)中山ほか,「3Dコピー機や食品向けなども登場、米展示会『CES』で新3Dプリンター相次ぐ」,同上,2014年2月号,pp.21-23.