Itaniumサーバー向けソフトウエアの開発促進を図る業界団体Itanium Solutions Allianceは,オープンソース・コンパイラGNU Compiler Collection(GCC)にItaniumプロセサ向け機能を追加するための資金を提供する。Itanium Solutions Allianceが米国時間3月7日に明らかにしたもの。ただし,援助額など詳しい情報は公表していない。

 GCCは,フリー・ソフトウエア団体のGNU Projectが開発するコンパイラ集。C,C++,Fortran,Objective-C,Javaといった複数のプログラミング言語のコンパイルが可能で,さまざまなプラットフォームに対応する。GNU/Linuxディストリビューションにおいて標準コンパイラとなっている。

 Itanium Solutions Allianceは,学術機関,政府機関,業界研究機関に向けたLinuxベース・ソリューションのコンソーシアムGelato Federationに資金を提供し,イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校(UIUC)で進められている活動を支援する。現在UIUCでは,スーパーブロック・スケジューリング,命令のスケジューリングおよび投機的実行,Memory Disambiguation(メモリーアドレス依存関係の解決)について最適化作業を実施している。「この最適化により,(GCCでコンパイルすると)Itanium 2用コードが高速化し,コンパイルに必要な時間も短くなる」(Itanium Solutions Alliance)。

 なお米メディア(CNET News.com)は,Itanium Solutions Allianceのメンバー企業が2010年までにItanium市場拡大と技術開発に投じる合計100億ドルの中から,GCC改造活動に対する援助資金を拠出すると報じている。

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