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 米Microsoftは米国時間12月6日に,CRMソフトウエア「Dynamics CRM 3.0」の正式リリースを発表した。中小企業だけでなく大企業も対象にしたマーケティング,販売,サービス向上のためのモジュールを備える。「Microsoft Office」との連携を強化し,設定やカスタマイズの新機能を追加した。

 同社は正式リリースに向けた限定プログラムを夏から実施しており,「約半年間の早期アクセス・プログラムなどに2500社以上のパートナ企業が協力してくれた」(Microsoft社)という。

 同社が「Microsoft CRM 1.2」をリリースしたのは2003年12月8日。今回,約2年ぶりの新版リリースとなる。

 Dynamics CRM 3.0では,Microsoft Officeや「Outlook」ユーザーに対する使いやすさを考慮し,OutlookクライアントとWebクライアントのインタフェースで統一感を向上した。

 イベント駆動型ワークフロー機能により,社内で一貫したプロセス実行を可能にする。また,「Excel」や「SQL Server」のレポート機能をベースにしたレポーティングおよび解析を提供する。

 Dynamics CRM 3.0は,大規模企業向けの「Professional Edition」と小規模企業向けの「Small Business Edition」を用意する。同日より,英語版が利用可能。オランダ語,ドイツ語,フランス語,ロシア語版は2006年1月1日にリリースする。数カ月でさらに17言語(アラビア語,中国語,チェコ語,デンマーク語,フィンランド語,ギリシア語,ヘブライ語,ハンガリー語,イタリア語,日本語,ノルウェー語,ポーランド語,ブラジル系/イベリア系ポルトガル語,スペイン語,スウェーデン語,トルコ語)をサポートする予定。

 ボリューム・ライセンス・プログラムを通じた価格(1年間の保証を含む)は,Professional Editionがユーザー当たり622~880ドル,サーバー当たり1244~1761ドル。Small Business Editionがユーザー当たり440~499ドル,サーバー当たり528~599ドル。

 なお2006年1月1日より,ホスティング方式の顧客にサブスクリプション・ベースのライセンシングを提供する。顧客は必要に応じて,ホスティング方式あるいはオンサイト方式の導入を選べる。

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[発表資料(1)]
[発表資料(2)]