オランダのUnifiedRootは現地時間11月24日に,.comや.orgといった現行のトップ・レベル・ドメイン(TLD)を使わない新たなドメイン名管理/提供サービスを開始した。UnifiedRoot社が同日明らかにしたもの。同サービスを利用すると,顧客は.airportや.companyのように自由なTLDを選んでWebサイトなどを運用できる。

 現在Webサイトへのアクセスや電子メールの配信などに使うドメイン名は,非営利組織Internet Corporation for Assigned Names and Numbers(ICANN)が管理している。これに対し同社は専用のルート・サーバーを設置し,ICANNの管理下にあるものとは異なるDNSサーバーを用意することで,独自ドメイン名の提供を可能とした。同社のルート・サーバーは,世界各地に13台あるという。

 UnifiedRoot社マネージング・ディレクタのErik Seeboldt氏は「インターネットのアドレス管理を次の段階に進めるために,当社は論理的かつ重要な一歩を踏み出した」と述べる。「ドメイン管理をユーザー本意にオープン化し,現在の.comといったTLDシステムによる制約から解放されたインフラを構築していく」(同氏)

 米メディア(CNET News.com)では,ICANN以外の組織が別のTLDを管理することの是非について賛否両論あると報じている。なお同サービスの料金は,初期費用が1000ドル,利用料が年額240ドル。TLDの種類に事実上制限はなく,UnifiedRoot社は英語以外の言語によるTLD名にも対応していく計画という。

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